エピジェネティクス(1):不幸の家族連鎖解放の科学

はじめに

今日は、久しぶりに、「エピジェネティクス(後成遺伝学)」についてのお話しです. . .というと、難しそうな話に聞こえますが、「私たちが意識的に選択することは孫の世代にまで、遺伝子レベルで影響する」というお話しです。

先日、過去(2019年)のファイルを見ていたら、「エピジェネティクス」について私が書いたメルマガを発見しました。今改めてお伝えしても、新たな学びになると思いますので、ブログでシェアさせていただきます。

実は、私が提供している様々なワークの効果は、「エピジェネティクス」で説明することができるのです。

「エピジェネティクス」とは?

先日、たまたま見ていたTV番組(※注1)で、「エピジェネティクス」についての最近の研究について特集していました。

その番組に出演していた山中氏(iPs細胞の研究者)は、

「エピジェネティクスの発見は、非常に議論を巻き起こしている。もしこれらの仮説が更に実証されていけば、今までの教科書を根底から書き直す必要がある」

と番組で語っていました。

「エピジェネティクス」というのは、日本語訳では、「後成遺伝学」というもので、最近注目され始めている研究分野です。

身体的特徴を伝達する遺伝子、つまり、染色体遺伝子は、全体の遺伝子の2パーセントだけで、残りの98%の遺伝子は、少し前までは、ゴミと同じように、何の役にも立たないものと見られていて、「ジャンクDNA」と名付けられていたくらいなのです。

ところが、最近の発見や研究で、祖父母の時代の後生的な経験がその子どもや孫の世代に、遺伝的に影響するということがわかってきたのです。

孫の世代まで肥満が「遺伝」した例

例えば、デンマークのある小さな村では、ある同世代の男性たちが次々に脳卒中などで倒れて死亡するという、異常な事態が発生した時期がありました。

それに注目した研究者たちが、過去その村に何が起こったのかを詳細に調べたところ、その世代の祖父の時代に大豊作があって、人々は食べ過ぎになっていたということがわかったのです。

祖父の代の人々は、豊作による食べ過ぎによって、かなりメタボ気味になったのです。

そして、その次の世代では、食べ過ぎでもないのに、生まれつきメタボな体質を持って生まれて来た子どもが多く、それらの男の子たちが大人になって、原因もわからないまま成人病になり、次から次へと死亡したということなのです。

そのメタボの傾向は、孫の世代まで続いていたようです。

エピジェネティクスの研究によって、この現象は、「祖父の時代に、豊作で食べ過ぎ傾向となり、多くの人々の中で、食べ過ぎた時に反応する後成的遺伝子のスイッチがオンになり、それが後の世代まで継承されたことによるものだ」ということが明らかになったわけです。

つまり、この発見は、

祖父母の時代の「悪い食生活」の「悪影響」は、子どもの世代だけでなく、孫の世代までが引き継がれる

ということを示しているわけです。

トラウマの連鎖

このように孫の世代まで「遺伝」するのは、習慣化した特性だけでなく、生存を脅かされるようなトラウマ的な出来事についても、孫の世代にまで影響することが多くなるようです。

これについては、いろいろなケースの報告があります。

例えば、極端な例ですが、ルワンダでは、1994年以降に生まれた若者達の中で、自分達が生まれる前に起こった恐ろしい情景と同じようなビジョンに苦しんだり、強烈な不安を経験するケースがあるということです(※注2)。

これらのことは、何か、「不幸の連鎖」を予感するようなお話しですね。

でも、逆に言えば、それは、

「不健康の連鎖」や「不幸の連鎖」は、後成的に変化させることができる、ということを意味するのです。

エピジェネティクスが示唆する可能性

上記の発見と研究を基に、デンマークでは、「精子トレーニング」というものが開発されて、

自分の子どもにメタボ遺伝子を継承させない為に、熱心にトレーニングに取り組む若い男性が続出しているそうです。

ゴミだと考えられていた、この98%のDNAの部分は、当然、メタボだけに限らず、私たちの感情、行動、人格等の特徴、すべてに関わる部分であると言われています。

つまり、私たちが経験することや、後天的に得たこと、私たちが習慣化させた行為や性向等は、「良い」も「悪い」もすべて、自分の子どもの世代だけでなく、孫の世代にまで直接的に影響するということです。

これは、私のヒーリングコーチ養成プログラムの「トラウマの家族連鎖の解放」の講座でもお伝えしていることなのですが、このことが意味するのは、

私たちは、ネガティブな連鎖を祖先から受けたとしても、それを断ち切って、より好ましいものに変化させることができる!ということです。

最新のエピジェネティクスの発見や研究は、このことをはっきりと証明しているわけです。

それでは、どうやって変化させることができるのでしょうか?

『エピジェネティクス』研究のこの部分、『エピジェネティクス』の先に何があるのか、ということが、エピジェネティクスが真に意味することの核心部分なのです。。

さすがに、NHKでは公言しませんね。。

次のブログ、「エピジェネティクス(2):DNAに変化を起こし、魂のギフトが開花する最新の方法とは」では、そのことについてお話ししますね。

※注1:2019年5月12日「シリーズ人体Ⅱ遺伝子第2集“DNAスイッチ”が運命を変える」

※注2:Stephanie Aglietti, “Ghosts of Rwanda Genocide Haunt New Generation,” The Sun Daily, April 12, 2015, www.thesundaily.my/news/1381966

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