過去からの解放、浄化

年末には、あちこちのお寺などでも1年の大掃除をしますが、私達の心や意識についても、「掃除」は、新しい出発や、新しいものを受け入れる前に、必ず必要なプロセスです。それは、新しいものを得る為に、両手を拡げて受け取る行為と同じです。新しい何かを受け取る為に、手を拡げることで、それ迄、手にしっかりと握りしめていた古いものは、解き放たれることになりますね。力を入れて握りしめていた手の力を抜いて、ふわーっとリラックスさせて、手を拡げないと、次に手の内に入りたがっているものが入って来ることができないのです。

新しいものを迎え入れる為に手放すものは、人やケースによって様々ですね。ただ、願いを実現したいけれど上手く行かないとか、「上手く行かないパターン」から抜け出せないでいる場合、過去の辛い体験や出来事が潜在意識に閉じ込められている、という点では、大体、共通しているように思われます。

私達は、生きていかないといけないので、「ネガティブな」感情を抱いても、それを押し殺したり、「忘れることにする」ということを頻繁にしていますね。しかし、「忘れてしまった」体験でも、潜在意識のレベルでは、全て記録に残ります。そして、何かの拍子に、何かがトリガーになって、突然、強烈な感情、怖れや不安や悲しみなどが、「理由もなく」湧き上がってきたりするわけですね。

或いは、意識の深い部分に作用するエナジーワークを受けると、「忘れていたこと」が、意識に上って来るようなことが起こったりします。意識に上るということは、一時的にはしんどいかもしれませんが、潜在意識の奥にたたみ込んでいたものが、消えていく為に浮上してきたものなので、大きな前進です。潜在意識の奥にしまい込まれ、「忘れてしまった」と思っていても、その体験と感情は、その人の言動を無意識レベルで制御し続けるのです。

さて、それでは、どのようにして潜在意識に閉じ込められたものを解き放つことができるでしょうか?ここでは、意識に浮上してきた過去の辛い出来事や、怒り、怖れ、不安などの感情を、どのように解き放つか、ということについてお話ししますね。

それは・・・誰でも言っているように、【許して、感謝すること】によって。。。 はい、シンプルです。

「それがいいのはわかっている」 でも! 「どうやってするかわからない。」「許したし、感謝もした。でも、何も変わらない」ということはありませんか?

そうです。実は、許す、感謝する、の前に、【心から】というのがついてくるのです。

でも、どうやったら、例えば、自分を生涯苦しめ続けて来た「毒親」を、心から許し、その「毒親」に、心から感謝できるのでしょう?

それは・・・結論を、一言で言うと・・・苦しめられて来た「当事者」としてではなく、「第三者」として、その体験を観ることから得られる、洞察や理解によって、自然に可能になる、ということです。その「第三者」の視点について、私が推奨するのが、「魂」のレベルです。

さて、先ほど、過去の辛い体験などが、無意識に自分をコントロールするのは、「過去の辛い体験や出来事が潜在意識の中に閉じ込められているからだ」というようなことを書きましたが、それは、こういうことなのです。

ご存じだと思いますが、潜在意識は、時空を越えた意識のレベルです。例えば、Aちゃんは、8 才のお誕生日に、あるヒラヒラしたスカートのドレスを買ってもらいたかったんです。ようやく勇気を出して、「買って欲しい」と言ったら、お母さんが、「お前には、あんなヒラヒラドレスは似合わない。」と言って、その代わりに、何の飾り気のない黒いズボンを買って来ました。Aちゃんは、とっても悲しくて、一人、泣きました。そして、「自分は女の子らしい可愛いドレスなんて、似合わない子なんだ」というメッセージを、どこか心の深くに刻みつけたのでした。

Aちゃんは、今、17才です。お友達はみんな、可愛い服を楽しんでいて、自分も可愛い格好をしたいと思います。でも、どうしても、自分は可愛い服は似合わないと思ってしまい、地味なズボン姿から抜け出ることができません。そして、「こんな私なんて、誰も好きだと言ってくれるはずがない」という気持ちが、いつもどこかにあるのです。

このAちゃんは、架空の人物ですが、自分で書きながら、彼女の悲しみが感じられ、胸が痛みます。このAちゃんの場合、8才の時にお母さんから言われた言葉、対応、その眼差しの全て、その出来事が、彼女の潜在意識の中では、「今」も起こっているのです。潜在意識では、それを体験している8才の自分のまま、そこに存在しているのです。

これは、たとえて言えば、未浄化霊や、地縛霊が、満たされない心や、恨み憎しみなどの感情によって、永遠に、「その今」を生きているのと同じようなものです。過去の出来事が、永遠に「今の出来事」として、潜在意識の中に閉ざされ、目に見えない檻から自由になれず、次に進めない状態になっているわけです。

それでは、こんな状態から、どのようにすれば自由になり、次に進んで行くことができるのでしょう?

それは・・・まず、見えない檻に閉じ込められている「小さな自分」の気持ちを認めてあげることによってです。そして、その「小さな自分」が「こうして欲しかった」という思いを、その潜在意識の領域のなかで満たしてあげることです。それによって、その「小さな自分」はその檻から自由に飛び立って行きます。

このように、辛い体験をした過去も、その体験をした自分の気持ちを聴いてあげて、その満たされない思いを満たしてあげることで、新しい体験に書き換えることができるのです。このプロセスや、そのバリエイションは、心理学でよく使われる方法で、私のセッションでも使います。

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ところで、私の経験では、過去の体験から本当に自由になるには、このように、潜在意識の中で、「永遠の今」を生きていた過去の自分の体験を書き換えるだけでなく、そこからもう一歩進んでいく必要があると思います。

それには、まず、その辛い体験をしている「小さな自分」を客体化すること、つまり、その「小さな自分」を自分から離れたものとして観ることです。これが、第一のポイントです。

そして、第二のポイントは、その「小さな自分」を観ている自分は、この「私」なのですが、本来の「私」、知恵に溢れ、優しく、地に足のついた強さのある「私」として、或いは、魂と一つになった自分として、その「小さな自分」を観るわけです。

つまり、自分の過去の辛い体験を【より大きな視野から捉える】ということです。その一つのレベルとして、その過去の体験を含めた自分の人生を、「魂のレベル」から捉えてみるのです。このレベルから観ることで、新しい「見方の枠組み」から、過去の体験を理解することが可能になるわけです。

ひどいことをしたある人を恨んでいた自分がいるとして、それと同じ意識レベル、ひどいことをされた人格のレベルでは、いくら赦そうとしても、むずかしいですね。【心から、過去を許し、感謝する】・・・これが可能になるのは、過去の体験した自分と同じ意識のレベルではなく、より抽象化した意識のレベルに視点を高めることが必要になります。それによって、過去の体験の意味が異なるレベルから理解できるようになるわけです。

しかし、魂のレベルから辛い体験を観たからといって、【心からそれに感謝する】気持ちが自然に湧くのか、というと、その辛い体験が今の生活のリソースになっている、つまり、成功の源になっている、という場合を除いて、自動的ではないというのが私の実感です。

むしろ、魂のレベルから観て、理解して、受け入れて、そして、【諦めて、手放す】という方が、正確かもしれないと思います。

その時に大きな力になるのは、【イノチについてのある理解】です。次回のブログでは、そのことについてお話ししますね。どうぞお楽しみに。

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